子育て家族がFIREするための資産はいくら?
子どもが成長するにつれて、ふと気づくと教育費や生活費がどんどん増えていく…そんな不安に押しつぶされそうになったことはありませんか?我が家も同じ悩みを抱えていました。幼少期にはなんとかやりくりできていた家計も、中学・高校、そして大学進学が近づくにつれて、支出が一気に増加していく現実に直面しています。
特に、子どもたちの高校進学や大学進学となると、塾代や入学金、授業料が家計を圧迫し、「このままのペースで大丈夫なのか…」と不安が募るばかりでした。
実際、私たちもFIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す中で、教育費の捻出方法に悩んでいたのです。しかし、ある時、完全なFIREを目指すのではなく、サイドFIREという柔軟な選択肢があることに気づきました。そして、子どもたちが小さいうちから計画的に積立投資を始めることで、教育費の不安を解消できると実感しました。
このリアルな体験をもとに、この記事では、4人家族がどのようにサイドFIREを目指しているのか、そして子どもたちの教育費をどのように工夫して賄っているのかを詳しくご紹介します。実際に必要な資産額や、各ライフステージでの費用のリアルなデータをもとに、読者の家庭でも活用できる実践的な方法をお届けします。
サイドFIREとは?
まず、サイドFIREの概念について整理してみましょう。
そもそもFIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、経済的に自立し、早期リタイアを目指すライフスタイルのこと。つまり、働かなくても生活費をまかなえるだけの資産を築き、自由な時間を手に入れるという考え方です。しかし、完全なFIREを目指すためには、かなりの資産を築く必要があり、特に子育て中の家庭にとってはハードルが高いのも事実です。
一方で、サイドFIREは、経済的自立を達成しながらも、パートタイムや副業を続けることで生活費を一部補うライフスタイルです。この方法なら、完全にリタイアするのではなく、自分のペースで働きながら好きなことに時間を使えるのが大きなメリットです。
例えば、「家族との時間をもっと大切にしたいけれど、社会との繋がりも持ち続けたい」「完全に仕事を辞めるのは不安だけど、もう少し自由な時間を増やしたい」という方にとって、サイドFIREは理想的な選択肢です。
なぜサイドFIREが子育て世代に向いているのか?
特に、子どもがいる家庭では、教育費や生活費がかさむ中、完全なFIREを目指すのは難しいと感じる方も多いでしょう。しかし、サイドFIREであれば、投資による収入とパートタイムの収入を組み合わせることで、家計の負担を減らしながら家族との時間を増やすことが可能です。
また、サイドFIREは、フルFIREに比べて少ない資産で達成できるため、家族の将来のために資産を積み上げながらも、生活の質を落とさずに進められるのが魅力です。
まずは我が家の家計状況を公開します
FIREを目指す上で、まず取り組むべきは現実的な家計の把握です。特に子育て世代では、教育費や生活費の増加が家計に大きな負担をかけることがあります。この記事では、私たち4人家族の実際の家計状況を公開し、同じ悩みを持つ方々の参考になればと思います。
我が家の基本情報
- 家族構成:4人家族
- 父:KEM(47歳):サラリーマン、年収は40代男性の平均より少し上。資産形成を進めつつ、サイドFIREを目指しています。
- 母(妻):時短勤務なので、年収は40代女性の平均より少ないです。家計管理を担当し、家庭と仕事の両立に努めています。
- 長女(高校2年生):中学から私立学校に通学。予備校にも通い、部活と勉強奮闘中!
- 次女(中学3年生):公立中学へ通学。進学塾に通い、高校受験に向けて準備中。
- 住居形態:持ち家(住宅ローン完済)
我が家の生活費内訳(年間)
項目 | 月額(円) | 年額(円) |
---|---|---|
住宅費(修繕費積立) | 20,000 | 240,000 |
食費 | 120,000 | 1,440,000 |
公共料金(水道・電気・ガス・通信) | 40,000 | 480,000 |
教育費(学校+塾) | 150,000 | 1,800,000 |
保険料 | 2,000 | 24,000 |
医療費 | 2,000 | 24,000 |
娯楽・レジャー費 | 50,000 | 600,000 |
交通費(車維持費込み) | 50,000 | 600,000 |
その他の生活費 | 50,000 | 600,000 |
合計 | 484,000 | 5,808,000 |
家計のポイント解説
1. 住宅費
- 持ち家のため住宅ローンは完済済み。
- 修繕費を考慮して月2万円(年間24万円)を積み立てています。
2. 食費
- 成長期の子どもたちがいるため、食費は月12万円(年間144万円)かかっています。 自炊中心ですが、四人の時間が合えば、時々外食も楽しんでいます。
3. 公共料金・通信費
- 電気・ガス・水道およびインターネット・テレビ受信料、携帯通信費を含めて月4万円(年間48万円)。
4. 教育費
- 私立高校に通う長女と、塾に通う次女の教育費は月15万円(年間180万円)。将来の大学進学も見据えた費用も確保しています。
5. 娯楽・レジャー費
- 家族の楽しみを大切にし、月5万円(年間60万円)をレジャー費用として確保。家族旅行や週末のレジャー活動もこの中からまかなっています。
6. 交通費
- 車の維持費(ガソリン代、車検、保険)と公共交通機関の利用費を含め、月5万円(年間60万円)。
7. その他の生活費
- 日用品や突発的な出費に対応するため、月5万円(年間60万円)を確保。予期せぬ出費に備えています。
D. 家計を公開する理由
家計を公開することで、FIREを目指す子育て家庭の皆さんの参考になればと思っています。特に、教育費の増加や生活費の見直しは、多くの家庭が直面する課題です。この現状を把握し、計画的に資産形成を進めることで、サイドFIREの達成が現実的な目標となります。
子育て家庭が直面する教育費の現実とサイドFIREへの道
教育費がサイドFIREに与える影響
子どもが成長するにつれて、教育費や養育費の負担が家計を圧迫するのは、多くの家庭が抱える共通の悩みです。我が家も例外ではありませんでした。長女が高校に進学し、次女が中学受験に向けて塾通いを始めた頃から、家計の負担が急増。そこで、将来の教育費をどう捻出するか真剣に考え始めました。
- 現在の教育費の負担:
- 長女(私立高校):年間120万円(学費、教材費、塾費用)
- 次女(公立中学+塾):年間60万円
- 合計:年間180万円の教育費が発生
- 大学進学時の負担:
- 長女が大学に進学し、一人暮らしをする場合、生活費だけで年間144万円が必要。
- 私立大学なら、年間130万円の学費がかかります。
- これに加え、入学金や教材費、生活費なども考慮すると、総額1,136万円の出費が見込まれます。
我が家のサイドFIRE戦略:教育費対策
1.学資保険で基盤を構築
- 総支払額(1名分):216万円
- 受取額(1名分):240万円
- 準備資金(2名分):480万円
子どもたちが生まれたとき、最初に始めたのが学資保険でした。強制的に貯蓄を進められる安心感があり、安定的な教育資金の第一歩として活用しました。ただし、利回りが低いため、資産を大きく増やす効果は期待できませんでした。それでも、確実な基盤づくりに役立ちました。
2.積立貯金で資金を拡充
- 月額積立金(1名分):2万円(児童手当を活用)
- 期間:18年間
- 総貯金額(1名分):432万円
- 準備資金(2名分):864万円
小学校入学を機に、学資保険だけでは教育費を全額まかなえないと感じ、児童手当を活用して積立貯金を開始しました。
当時は「リスクを避け、安全に貯める」ことを重視していましたが、投資を選んでいればさらに効率的に資産を増やせたかもしれないと、今では振り返っています。
3.ジュニアNISAで資産形成を加速
- 年間投資額(1名分):60万円
- 期間:6年間(2018年~2023年)
- 元本(1名分):360万円
- 運用益を含む資産額(1名分):417万円
- 準備資金(2名分):834万円
2018年のジュニアNISA開始を機に、非課税枠を最大限活用して教育資金準備を加速しました。6年間で360万円の元本を投資し、利回り5.9%の実績を得て417万円に成長。大学進学資金として最適な資金形成手段となりました。
準備した教育資金の総合計
方法 | 準備資金(2名分) |
---|---|
学資保険 | 480万円 |
積立貯金 | 864万円 |
ジュニアNISA | 834万円 |
総額 | 2,178万円 |
4.児童手当の活用
- 児童手当を教育資金に積立
- 児童手当は日常の生活費には使わず、全額を教育費の積立に回しています。
- 家族会議を定期的に行い、児童手当の使い道を話し合うことで、子どもたちにもお金の重要性を教えています。
- 効果的な使い方:「子どもたちが自らの進学資金に関心を持ち、家計について学ぶきっかけにもなりました。」
実際の生活費と教育費を考慮したサイドFIRE資産額の再試算
- 大学卒業後の生活費の見直し
- 子どもたちが大学を卒業し独立後、夫婦二人の生活費は年間360万円に減少します。
- これを基にサイドFIREを達成するための資産額を再計算しました。
- サイドFIRE達成に必要な資産額
- 年間360万円 × 25(4%ルール)=9,000万円が目標です。4%ルールの概要はこちらで確認
- ただし、副業収入で年間100万円を見込んでいるため、必要な資産額は7,500万円に減少します。
- 教育費の影響を考慮
- 大学進学中は生活費が増加するため、資産運用のリターンと副業収入で補う計画。
- 大学卒業後は支出が減少し、資産取り崩しを最小限に抑えることで、安定したサイドFIREを維持する戦略です。